富良野で農家る! 桃子のローカル日報
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雪のひとひらと、豆粒によせて
少し遅めの冬の入りであっても、今となっては雪が豊富になりました。
人力で除けてきた雪が溜まってくると、道幅が狭くなり、見通しが利きません。
そうしたら今度は機械の出番です。

通常、この辺りの家々は、建てる際に家の周りに「雪捨て場」のスペースを確保してあります。
夏には解らないことなのですが、気象が厳しいと、実質的なゆとりが多く必要です。

市街地は、排雪(はいせつ)といって、大きなロータリー車で道路際の雪山を
ロールケーキを切るように削り取って吸い上げ、10tダンプに雪を積み込み、河川敷に運びます。これはお役所の仕事です。

我が家のような田舎では、トラクターにバケットを着けてバックしながら、
スプーンでアイスクリームを削るようにして農道の雪を掬いとって、畑に落とします。

この雪が、畑の土を休めて、余分な肥料分をクレンジングするように洗い流すので、
北海道の作物にとっては、恵みの雪なのです。
この休みと、クレンジングがあるからこそ、この地ではおいしい作物ができるのだと、
土壌学の教授はいつもおっしゃいます。

その雪の中では、よく黒いクモが冬眠しているのを見かけますし
スキーで歩いていると時折、すぽっ、とねずみや山鳩が飛び出してきたりすることもあります。
そして、雪を踏むとほんのかすかに匂う、雪の香り。
道ゆく車の音さえ吸い込んでしまって、真っ白で冷たくて、何もないようでいながらも
雪の下には、無数の生き物が潜んでいます。

さて、この無数の生き物が住む土で栽培した大豆が
おかげさまで、ことしも好評です。
只今、店頭販売ではフラノマルシェARGENT(アルジャン)に置かせていただいています。
豆選りが進み次第、ほかにも置かせていただきますので、お近くの方はお楽しみに。
もちろん、ウエダオーチャードのサイトでも販売いたしておりますので
遠方や、お出かけのしづらいお客様は、お得な通信販売をご利用ください。

昨年、大豆をお求めいただいたお客さまに伺いますと、畑に蒔いてみたとおっしゃる方が
ずいぶんいらっしゃいました。
ところが、枝豆はたべられたのだけれど、熟す前になくなってしまった、と決まっておっしゃるのです。
犯人は、おもにシカやカラスのようですが、何とも残念です。
淡白なはずの豆の味にはとても敏感な、動物の鋭い感覚を実感させられてしまいます。
これは、お客様であっても農家であっても同じなのです。

もちろん、販売しているのはとりわけ元気な豆ですので、種として使っていただくのもとても嬉しく思います。
大豆に親しんで戴くのが、私どもの一番の目的、今度こそは蒔いてみようとお考えの方は、
来春ぜひともお試しいただき、年ごとに殖やしていただくのも面白いです。

ただ、枝豆の場合は、風味がやや淡白に感じられるかもしれません。
通常、枝豆としてスーパーなどに並んでいるのは、黒豆や茶豆などの若い実が多く、
枝豆の姿のときに味が乗っている品種です。

しかしながら、お手元で楽しみに待ちつつ、採れたてをもいですぐに戴く豆は、
きっと格別の風味だったのでしょう。
普通の大豆であっても、皆様なかなかに楽しんでいただけたようです。

場所とお時間がゆるせば、肥料をやっていない土に人差し指の第1関節の深さに2粒ずつ
30センチ間隔で植えてみてください。
私はまだ試していないのですが、プランターであれば、1台に2カ所なら植えられそうです。
ただし地面に植えるよりも、株が小さくなります。

なお、もちろん味噌や煮豆、納豆、豆腐、湯葉など、丁寧に料理してくださったお客様
ありがとうございます。
なんと段ボール箱でも味噌を作ることができると伺い、びっくりしています。
これだけサプリメントや中食や加工食で世の中がにぎわっていても
日本人のならではの細やかさを、きちんと持ち続けていらっしゃる方も少なくありません。
そして、そうしたいけれどもままならない、という志向をお持ちの方がその陰に
どれだけいらっしゃることだろうと感じずにはいられません。
何しろ、作り手の私がその一人でもあるからです。
大豆を通じて、お客様からそういうことをお知らせ戴きました。

最後に、ご質問の多い「炒り豆ごはん」の炊き方です。
煮る時間と手間がなく、大豆の旨味を丸ごと戴けるので、これからもお勧めしていきたいと思います。

“炒り豆ごはん”
お米と豆の比率は、米4合に対して豆1合くらいです。
(米2カップであれば、豆はカップ1/2になります。)
1、大豆をたっぷりの水で2回洗い、水切りする。
2、安手のフライパンを中火〜強火にかざし、油をひかずに豆を入れ、転がしながら煎る。
  焦さないようにしていると、5分くらいで豆の皮にひびが入り、よい香りがしてきます。
  (焦げ付き防止のコーティングが傷みますので、
   お気に入りのフライパンは炒り豆には不向きのようです)
3、あらかじめ、いつものように研ぎ、いつもの水加減をしたお米のなかに炒り豆を注ぐ。
4、炊飯スイッチを入れて炊き上げ、炊きあがったら全体を混ぜて蒸らす。

それでは、沢山のお客様とともに迎えられたこの年の瀬に
心から御礼を申し上げながら、来る年のご健康をお祈りいたします。

posted by momouyda | 20:22 | 雑記帳 | comments(0) | trackbacks(0) |
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