富良野で農家る! 桃子のローカル日報
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豆鉄砲
年頭1日は、いつも地区の新年会があるもので、宴席で頂いてきた日めくりカレンダーが、
気がつけばもう29日になろうとしています。
毎日、寝る前に次の日にしてしまうのだけれども、あまりの減りの早さにめまいがする思いです。

いよいよ来週は、2月です。
やがてきたる春をめがけて、土壌の勉強会や、農法から販売にいたるまでの研究会など
あちらこちらで広くて平たいお話を伺う機会が待っています。
とくにuydaには、そういった予定が連なっています。
なんでも発表の機会まで頂いたそうで、あまりに濃くて詰まり過ぎている思いを、
薄っぺらい会議資料や、スクリーン上にどうまとめて語ったらよいものかと、始終首をかしげています。

地元ではすでに、ミニトマト農家さんは種を蒔いたそうです。
そして大きなメロン農家さんでは、ビニールハウスにビニールをかけ、静かに栽培の準備に入りました。

そんな春は暖かいようでいて、実は私にとってはその気配が厳しく、ちょっと憂鬱でもあります。
あらゆるものが動きだして、風が吹き、雪が水を含んで重くなり、
陽のあたる部分は泥でぐちゃぐちゃし、それがなかなかに厄介です。
ひねくれものの私は、もっと、この静かな冬が欲しいくらいです。
しかしなんと言おうが言うまいが、無情にも時は過ぎるから、
せめて積んだだけの時間に見合った仕事を心がけていたいなと思うのがやっとです。

さて、節分とは春の始まり。
春は風が強くなり、風とともに憂鬱な気分がやってくるので、
それに誘われて心身の病が眼を覚ますような感覚が知られてきたのではないでしょうか。
それを古くから鬼に例えて、用心しようとするのが節分の習わしであるのだと思います。

そこで、鉄砲玉や丸薬ではなくて、丸くてかわいらしい大豆を、
大人も子供も一緒になって鬼に向き合い、大きなかけ声とともに投げ合う習慣というのは、
病の起こりとそのケアを人任せにしないで、家族自らの力を確かめながら向き合って行こう、
というシミュレーションゲームにもなりそうです。
大豆に触れ、大豆に親しむには絶好の機会になるのではないでしょうか。

街中では、ご近所の眼や、スペースの関係で実現しにくそうですが
例えば、公園や公民館、あるいは居酒屋さんなどで、遊びの機会に取り入れられたら面白そうです。
そうなると、投げて面白いのは、あたりの柔らかい落花生よりも、丸くて堅い大豆のほうではないでしょうか。
撒いた豆の回収と掃除の問題が、たちまち取り沙汰されそうですが
その昔、神楽坂の毘沙門様を通りがかったら、
小さな紙袋に入った炒り豆を投げているところに行き会ったことがあります。

そうこうしているうちに、豆を選る作業に終わりが見えてきました。
まだ残ってはいるのですが、早くからのご注文をいただいておりましたので
選ればすぐに捌けてしまって、いったいいつの間になくなったものやら、という感じです。
部屋の中に、選った豆をストックする袋を置いているのですけれども
まさに都合良く「受注生産」の状態で、在庫というものが存在しないまま、
冬が過ぎてしまいました。しずかに忙しく、有り難いことです。

さて、その他に、メロンの首飾りや、スイカのエンブレムを作り足し、
新たなギフト用箱のデザイン、直売分の値札作りなどなど、本格的な農作業が始まるまでに
ストックしておきたい手仕事が、ほかにもまだ山積みです。
雪はあっても、営業を抱えた我が家は既にシーズンははじまっているもので、まことに貧乏に暇はありません。

このような細かすぎる仕事は、遊んでいる、と言われてしまえばそれまで。
しかしそれが私の得意分野であり持ち味であるから、せいぜい出来ることをこなして行くだけです。

支えてくれるお客様と、旦那と犬しかいないけれども、家族の存在を尊く思います。
湿気ってはいるけれども暖かく優しく燃える薪用意してくれ、また面倒な水の凍結管理、
税金などの手続きや各種会合への出席など、
厳しい気候のもと、また生活と仕事のあいだに境界のない農村社会にあっては、
農家には農作業以外の雑事が多くあります。
いわゆる「父さん」の出番がふんだんにあるのです。
「父さん」達の築く文化に、優しいかあさんとかわいらしい子供の居場所がないのは、
サラリーマン生活も、農村も似ています。

たまに、この「父さん」を洒落で豆を使ってやっつけてみる。
節分は、これからもっと楽しい行事になるかもしれいな、とひとり思い描く夜です。

posted by momouyda | 22:30 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
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