富良野で農家る! 桃子のローカル日報
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最後の充電
穏やかに曇った今日は、帯広方面に出かけてきました。
秋口からずっとお会いしたかった八百屋の親方と、パン屋さんの友人にのところに行きたかったのに、
メロンの種を播くまであと数日という今になるまで、ずっと持ち越しになっていたのでした。


パン屋さんは、西帯広にある「はるこまベーカリー」の栗原民也氏と慶子さんです。
お二人とも、uydaの古くからの友人で、はるか20年程前に十勝のリゾートでアルバイトをし、
時を分かち合っていた仲間だそうです。

不思議と、その仲間には起業家が多くて、銀座でバーを開いていたり、富良野で大きなお菓子屋さんを営んでいたりして、
超零細駆け出しメロン農家の私共には、まぶしく思えます。

栗原ご夫妻もおなじく、開業11年目を迎えられ、
昨秋に店舗を大きく建て変えて表通りにリニューアルオープンされました。

以前のお店はこぢんまりしていて、トレーを携えた人同士がすれ違うのには
いささか気遣いが必要でしたが、
今は売り場の片隅で、焼きたてのパンとともに美味しいスープやコーヒーを戴けるようになっています。
ショッピング帰りの主婦の方や、お仕事の途中でちょっとした腹ごしらえ、
という雰囲気で、つぎつぎとお客様が入って来られます。

私共は二人で「ホクシン」という品種の小麦粉のがっしりしたフランスパンを噛みながら、
具だくさんなミネストローネと、チーズの味わい豊かなペンネのスープを味わいます。

たくましい腕をした職人である栗原氏は、十勝で穫れる小麦粉についても深く追求なさっていて、
とくに新しい「はるきらり」という品種の小麦が、はるこまバーカリーの求めるフランスパンにふさわしいとのことで
街のフレンチレストランのシェフと考え合ったり、小麦の生産農家さんを探したりと
盛んに活動していらっしゃいます。

このように、私共にとって、とても心強い先輩がおられるのです。
開業祝いに駆けつけるつもりが、今となってしまったものの
明るくて活気に溢れるお店の中で、小麦の香ばしい香りに浸る幸せな時間をいただきました。

そして、音更(おとふけ)という帯広より少し北にある街の街角で
野菜の直売所を持っていらっしゃるのが、八百屋の親方です。
いつも繁盛しているお店の方ではなく、大きな倉庫やハウスが並ぶご自宅を訪ねると
あら懐かしや、なんとダンプの荷台いっぱいに積まれた大豆を、唐箕がけしているところでした。
さすがにダンプの荷台から唐箕へ、唐箕から1トン格納のスチールコンテナへ、
一抱え十キロ以上は軽くありそうな豆の移動を伴う規模ですから、体格のいい、男3人工の仕事です。

それでも、使っているのは我が家でお借りした唐箕と同じく、手でファンのハンドルを回すもので
装置自体がやや大ぶりなものの、原始的な作業というものは時も場所も問わないものであるなと改めて思いました。

さて、丁度おやつの時間にお邪魔したので、苗床でひとしきり従業員の皆さんと輪になって
大胆な世相批判についてお話しを伺ったのち、親方に招かれ、ご自宅に入ります。

そこで訥々と伺ったのが、親方が膨らませているここ最近の思いのこと。
還暦を過ぎたので、これから新しい事業をはじめようと夢に燃えておられるのです。

同じ世代か、あるいは親方より少し年上のお仲間が最近になって次々と現れ
それぞれが過ごしてきた人生の成果を持ち寄って、手間賃と競争という枠組みを除いた条件のもとで働き合い
ひろく農業以外の方々や、若い世代との交流を持てるような場を作りたいと
それはもう、眼をキラキラさせながら聞かせて下さいました。
この親方に会うのは、私は確か5回目のようでしたが、今日が一番若く、顔色よく思えたのです。

一緒に生き生きと働いておられる奥様や、息子さん達への信頼感や、
逆に家族それぞれが抱く親方への求心力にも、私にとってはそれまで見たことがないものに思え
未だ持ててはいないながらも、家族というもののあり方について、さまざまに感じずにはいられませんでした。

そうして、私共のシーズンにむけて遠く脚を伸ばしての充電は、これにて一件落着です。
とおい夕焼けとともに、一日が飛ぶように過ぎて行きます。
posted by momouyda | 23:19 | 雑記帳 | comments(0) | trackbacks(0) |
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