富良野で農家る! 桃子のローカル日報
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秋深し
親知らずの外側、上あごの一番奥の当たりに、穴があいているのに気が付きました。
木枯らしの寂しさにあいまって、心の真ん中にぽっかりと穴があくのはこんなときです。

あわてていつもの陽気な歯医者さんに予約を入れ、待つ事2週間。
ようやく腹を決めて治療台にあがったと思ったら、その部分の治療はあっといういう間に終わってしまって
かわりに、その2本前の歯に虫歯があると聞きました。こちらは、治療にしばらくかかりそうです。
親知らずの虫歯といえば、即抜かれてしまうのかと思いきや、削れば済む程度で治まり嬉しかったものの
「こんなに奇麗に生えている親知らずを、ひさびさに見た」
という不思議な褒められ方をして、喜んでよいものかどうなのかどうなのかよく解らない気分でいます。

ちなみに下あごの親知らずは、両方とも真横を向いたまま、あごの骨のなかにうずまっているのです。
自分の持ち物であるはずの肉体の一部が、そんな普段は想像もつかないような様相をしている
ということを映し出している傍らのレントゲン写真は見事で、まるで気象衛星からみた世界地図のよう。
意外なくらいに長い歯の根っこや、その形や配列が面白くて、
子供のように治療台から乗り出してじっと覗き込んでしまいました。

ともあれひとまずは、奥歯の片方を失くした場合の心地と、麻生元首相の顔のイメージが代わるがわる浮かんでくる、
という奇天烈な妄想状態を回避できたことにほっとしながら、
こうして3年振りに歯医者さんのお世話になっています。

うっかり穴をあけてしまった歯だけではなくて、この時期は、作業用の道具や農地のメンテナンスをしています。
果樹畑や、土手の草刈りを済ませ、私はメロンの下に敷くお皿を洗い、
uydaは管理機の整備やスイカ用のビニルハウスを手直ししたりと、夏の間に溜まりに溜まったこまごまとした仕事を
すこしずつ消化しています。

そんな我が家はどこまでもマイペースなものだから、夜には山から鹿がおりてきて、収穫間近な豆を喰われてしまいました。
たくさん喰われないうちに、はやく豆を刈ってしまいたいものですが、ここはぐっと我慢です。
明朝はとうとう1℃まで冷え込むというので、このきりっとした寒さで、葉っぱがはやく落ちてくれるのではないかと期待しています。
豆の葉っぱが落ちれば、収穫以降の作業がより速く、楽になるからです。
これもまた、春先に豆の種を畑にまくタイミングが悪くて発芽がきわめて悪かった事や、
そのあと再び豆を育苗して、1本ずつ植え直したせいで時期が遅れている、という事情があります。

メロンもさることながら、大豆のほうもとてもご好評を頂きましたので
今年もきっと皆様にお届けしたいものです。すでに熱烈にご所望の方もいらっしゃいます。
作物が穫れるということはさることながら、それを売る形に整える、
という作業もまた、試行錯誤が欠かせません。
なにしろ小規模経営ですから、作物が商品という形になり、お客様の手に渡るまで、何もかもが未完成なのです。
まだ2年目ですので、昨年とはまた違った仕上がりになるかとは思いますが
晴れて形になりましたら、お付き合いの程よろしくお願い致します。

それでも暖かな小春日和は優しくて、この時期の澄んだ空気は、体ぜんたいにとっての何よりのごちそうです。
庭の水松には、赤い実がそれはたくさん成り、早くもクリスマスツリーのように可憐です。
そう大きくない水松の木の下でメロンのお皿を洗っていると、ドクダミの葉っぱの蔭から覗く、黒い眼が合いました。
ちょろりと姿を現したのは、親指くらいの白いねずみです。
暖かい昼のうちに、忙しく食べ物を集めて回っているのでしょう。

街中の野菜の直売所では根っこものが目立ち、緑のものといえば南瓜と長ネギくらいになっています。
あらゆる生き物が食べ物を蓄え、住むところを整える時期に差し掛かっています。
雪国の冬。
逆らいようのない、大いなる流れのなかで
もう間もなく、こまやかなる手仕事の季節が、静寂をたずさえてやってきます。
posted by momouyda | 20:38 | 雑記帳 | comments(2) | trackbacks(0) |
コメント
おはようございます。
親知らず、私も真横にはえてます(笑)。
歯に限ったことでないですが、早めに治療したほうがいいですね。
私も歯医者さぼっているので、冬の間にいかないといけません。
わが家もすこしばかり植えた大豆が全部(といっていいくらい)鹿のえさとなりました。
もうわはは、と笑うしかありません。
島立て、におづみ、楽しみにしてたんですけどね。
鳥沼まで研修にいくかな!

2011/10/12 08:12 by numax
numaxさん、おひさしぶりです。お米のほう、収穫お疲れさまでした。
大豆、残念でしたね。我が家も、欠株だらけのところをさらに喰われているので
3枚ある畑のうち1枚は、献上のつもりでいます。
わが虎犬の今後の活躍に期待あるのみです。

歯医者さんでも、3年前より問診やら説明やら、とても細かくなされるようになりました。
細やかな対応が求められるこの世の中、発信側に試されているのは度量です。
いつでも余裕を持ち続けることと、臆病になることとのあいだを、
私はいつも行ったり来たりしています。

ゆえに、numaxさんの「わはは」のスタンスが素敵です。
2011/10/12 10:21 by momouyda
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