富良野で農家る! 桃子のローカル日報
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ハウスの引越はエルフで
新しい畑に、ハウスの部材を運び込みました。
それで今日から、1棟目のハウスを建て始めています。
それまではだだっ広い一枚の畑が、よそよそしい顔をしていたのに
たった一棟のハウスの形ができただけで、急に自分のものになってきました。
これからどんどんハウスを建てて、この地をuyda色に染めてゆくのが楽しみです。

このハウス部材を運び込むには、2tトラックを借りました。
われらが北央リースの真新しいエルフです。
最近のトラックは静かで、クッションがよく、燃費も10km以上だし、窓は広いしで
助手席は、観光バスのバスガイドさんの席と変らない雰囲気です。
片道約25分かかる道中、何度も睡魔に襲われるほど快適でした。
いったい2t車がいくらするのか知りませんが、欲しくなってしまいます。

今回、道路での運転は主にuydaの仕事で、畑の中でパイプの束を下ろすときだけ
私が運転席でuydaを荷台に載せて、パイプを下ろしたい場所へとトラックを移動していました。
つまり私はローギアとリターンしか使わない運転だけでしたが
この大物を6速まであるギアを使いこなし、走れたら気分もよろしいのでは
と思わずにいられません。

しかし、現実にはパワフルなのに、車内の快適さとのギャップが大きい分、
おっかないことでもあります。私には完璧に技量不足です。

エルフは新品だけあってか、ギアが入り難くて気合いが要りましたけど
気合いが必要ぐらいでないと、ギアの配置が違って危ないので、ちょうど良くもありました。
初めて知りましたが、乗用車のローギアに当たるポジションが、トラックだとバックで
それを手前に引いたセカンドギアのところが1速なのです。
バックの時はアラームが鳴りますが、発進しようとしてバックしないように注意が必要でした。

とにかく、朝から夕方までたっぷり4往復したら、一日で栽培ハウスの部材を運び終わりました。

uydaの力技でぐいぐいと進む積み込み光景を見た方からは、
なぜクレーン付きのトラックを使わないのかと、ほとほと呆れられました。
ひとえに、uydaは機械の操作が苦手だからで、危ないから嫌いだというからには
無理に機械使ってもらうわけにもいかず、どうしようもありません。
なんとかuydaなりに練り上げた案に従い、パイプ束に吊り上げロープをセットする役をこなすのみ。
また地区の皆様を、uydaがやきもきさせてしまいました。

これからも、マイペースぶりに周りの皆様の顰蹙を買いつつも、
我が家なりの仕事に励みたいと思います。
まったく、結果なければ見られたものではありませんが、しかし、農家は自営業です。
成熟にはほど遠い今、我が家のスタイルを築き上げることに夢中です。

posted by momouyda | 20:02 | 農作業 | comments(0) | trackbacks(0) |
晩秋
 日付に疎い私が、シルバーウィークというのを知ったのはついひと月前くらいのこと。
そこで母が遊びに来たので、ひさびさにフラヌイ温泉に入りました。

北海道は温泉が多い所とはいえ、ここの冷たい温泉はちょっと他にないでしょう。
31度の湯の冷たさに慣れてきたころ、ずっしりとした水圧と、産毛に溜まった気泡の多さに
じわじわとした水のエネルギーを感じます。
さらにはじっとりと額に汗がにじみだすから不思議です。
熱くない温泉。高血圧の母には、まさにうってつけではないでしょうか。
もちろん、加温してある浴槽もあるので、仕上げに暖まってあがることができます。

上富良野の市街地に近いこともあり、近所のおかあさん達でごったがえしていて
ちょっと洗い場が不足気味ではありましたが、
「ちょっと貸してね!」とシャワーをさらっと借りに来るおばさんがいたりして、それもまた楽し。
なにしろ北海道らしく、飾らない雰囲気の温泉です。
上富良野市街から十勝岳温泉に向かう道の左側、入り口横のサイロが目印になります。
運良く西の湯にあたると解りますが、この中もお風呂になっていました。

さて、温泉から上がって夕食を済まし、我が家に着いたら夜10時過ぎです。
寒い夜ではありましたが、山際の我が家に近づくに連れて気温がどんどん降下してゆき、
ついには4度になりました。
どうりで星がきれいな訳です。
その日、昼前の東京は28度あったとのことで、まさかこれほどの寒さとは
想像もつかなかったのでしょう。
ジャケットの下には薄い半袖のブラウスしかまとっていない母は、
小さい体をさらに縮こませながらも、初めて見る天の川に口をあんぐり。

さすがに霜が降りて、翌朝は畑のヤーコンが黒く萎れておりました。
しかし日中は暑い。でも昼間が短いのでこれからの晴れ間は、やはり貴重です。

さて、畑の方はといいますと、晴れ間がやっと来たと思ったら
uydaが神社祭の役にでていて新しい畑になかなか行けませんでした。
やっと昨日から、ハウスのベッド作りにかかりはじめ、uydaはひたすらトラクターの仕事です。

そのあいだ私は、抜いたハウスの脚を掃除して錆び止めを塗る、ペンキ屋をしておりました。
それも終わったので、今度はスコップを振り回して土木屋さんです。
本来、ユンボで掘り出すはずだったハウスの杭を、スコップと手足で地道に抜いております。

百姓とは、百の仕事という意味です。と木村秋則さんの『リンゴが教えてくれたこと』にあったので
なるほど納得、という感じがするのが最近の仕事です。
そういえば、ハウス作りや解体は鳶職のようでもあるし、
加温施設のボイラーを外す時は水道屋さんのようでもあったような。

畑の前を通る他の農家さん皆に、暇だなあ、と呆れられているのでしょうが
これで機械のリース代を少しでも減らせたでしょうか。
資本がない分、手間で稼ぐことも大事な要素ではないのだろうか。
実践し、手応えを確信できるまで静かに働いていこうと思っています。

posted by momouyda | 10:03 | 雑記帳 | comments(2) | trackbacks(0) |
雨がふれば
 とうとう、ビニルハウスのパイプを倒しました。

それまでの作業はとても長く感じたのに、鉄パイプのアーチ540組を抜いて倒すのは
たったの2時間。
これで、ハウスの形がすっかりなくなったので、引越気分が一気に高まります。

ところがパイプを抜き終わってお昼を食べたら、またしても雨が降ってきて
昼寝の時間となりました。
せっかく付いた勢いをいきなりそがれたuydaは、
文句たらたらいいながら、犬と同じ格好で茶の間の床にひっくり返っているのでした。

もう少しして雨雲が去って行ったら、アーチの真ん中部分を外して
曲がったパイプ2本と、真ん中をつないでいる「く」の字型の小さなパイプに解体します。
解体したら、土に刺さっていた部分に防さび塗料をぬり、次に組むときに備えて
どこまで土に刺すかの目印を付けて行きます。これは、私の仕事になるはずです。

その一方で、uydaは新しい畑にトラクターを掛け、
ハウスを建てる下地を作ってもらわなくてはなりません。
将棋の駒を2/3まで地面に埋め込んだような断面を目指し、一棟一棟のハウス部分を
高く盛るようにするのです。
これはメロンが土の中に空気がたくさんある状態が好きなためで、
理想を言えば、角張った砂の丘が作りたいのです。

が、しかし。この雨。
土が乾いていないと、その作業に踏み切れないのでした。
ぬかった土をむりやりいじって、せっかくの砂の丘を粘土細工にしてしまっては台無しだからです。
作業そのものにも時間がかるし、トラクターが嵌ったりすべったりして危険でもあります。
晴れ間のありがたさ、もう良く解りました。
この夏、もうすっかり期待はしなくなったけれど、1週間先の晴れ予報が
どんどん逃げて行く癖は、秋になっても相変わらずです。

腹を立てても始まらないから、まあ、ぼちぼちと。
小雨の一服があるおかげで、ブログが順調です。
posted by momouyda | 14:10 | 農作業 | comments(0) | trackbacks(0) |
亭主元気で・・・
秋雨続きで、新しい畑が乾かず、なかなかハウスを建てる準備にかかれません。
そこでちょうど良く、土建屋さんから電話があり、uydaは出稼ぎに出ることになりました。
単発3日間の仕事で、富良野の街中にある伸びすぎた木立を切るのだそうです。
久々の現金収入をまえに、uydaはお高い紀伊国屋の手提げに色気のないドカ弁を詰めると、
いさんで出かけてゆきました。

旦那が稼いで、私は我が家でゆっくり仕事。亭主元気で留守がいい。良く言ったものです。
ここ何年かと逆なパターンも、またよしとして。

ビニルハウス。2人ではあまりにもすぐに壊れてしまうけれども、
一人でやるとなると、じっくりとした仕事になります。
今は、沈下止めといって、ハウスの骨と地面との境に、平たく渡してあるパイプを外しています。
スコップで金具をこじるように地面から持ち上げて、
金具のくさびを金槌で叩きもどして抜いていきます。
ハウスの骨の数だけ金具があり、水はけが良くなるよう高く盛ってあるベッドの法面を横歩きするので
体勢がちょっと辛いのです。

どこか痛めてもつまらないので、長く続けず、
時折ハウスの骨にぶら下がったり、ヨガのポーズをしたりして、やすみやすみやっています。
そうそう、ハウス際には、なぜか蛇がよく潜んでいて、
白い脱皮殻がパイプにからまっていることもあり、蛇嫌いの人には大変かもしれません。
しかし、蛇がメロンを食べる生き物でなくて良かった。

今日はちょうどよく晴れて、気持ちよく、シータもそばで小穴を掘ったり居眠りしたりしながら、
でも何気なく付いてきてくれます。
腰が痛くなれば犬と遊び、飽きればときに家で掃除機をかけたり、野菜の世話をしたり。
優雅な秋のひとときです。

そんな脱線が楽しいので、今朝はジャガ芋を掘りました。
伸び放題の草をかき分けてスコップをいれると、
湿っぽい黒土から、金色の鈴がころがりでるような感じです。
普段目にする、カサカサしたジャガイモの肌ではなくて、土から出たばかりの芋は
とても生き生きしていました。

それに、じゃがいもの実、これを初めて見ました。
薄いみどり色の、気の抜けたミニトマトみたいなものが、ぽつぽつと畑に落ちているなと思ったら、
よくみるとジャガイモの枯れ枝に繋がっているではありませんか。
殻のないほおずきにも似ていて、そういえばトマトもホオズキもジャガイモも、
みんなナス科だったね、とあらためて納得したのでした。

植え方がまずくて、数はとれませんでしたが、まずまずの出来でしょうか。
たいした肥料もやらず苦土石灰と米ぬかだけでも、きれいな芋が穫れました。
売る事を離れれば、野菜作りはとても楽しいものです。
料理のレパートリーが増えていくように、野菜作りのレパートリーも
だんだん増やした行きたいと思っています。

おっとたいへん、もう1時。肝心の仕事にもどらなければ。
posted by momouyda | 13:04 | 雑記帳 | comments(0) | trackbacks(0) |
秋休み
9月に入って、少し天気が良くなったかと思ったら、また雨続き。
そしてまた、この時期はどこの神社でもお祭りがあるので、
行事と雨のあいまにハウスを少しずつ解体しています。

昨日も、前日の奉納球技大会でおかしなところが痛い体をぎくしゃくさせながら
変り易い山の天気を読みつつ、仕事です。
少しの降りなら、あまり気にしないで仕事をしていますが
どうやら降るか降らぬかでいらいらしていたのは人間だけではなく
巣箱のミツバチも同じだったようです。

蒸した空気にうんざりしたのか、ふとミツバチの巣箱に目をやると
出口のところで何十匹もの蜂が団子のように固まってぶんぶんとうなっています。
そのままさして気にも留めず、近くでハウス際のビニールと鉄管とを外す仕事をしていました。

突然、目に激痛がしてびっくり。
何の前触れもなく、まぶたをミツバチに刺されてしまったのです。
咄嗟に払いのけた左手には、もだえるミツバチが一匹張り付いていて
瞼には針がささったまま。
急いでuydaを呼んで抜いてもらったものの、
腫れをケアしようにも、まぶたに塗れる薬など聞いた事もなく
アイスパックをあてながら病院に行く事にしました。

病院では、すすめられるまま、アレルギー症状をおさえる点滴を
ゆっくりと打ってもらいました。

初めての蜂ごときで点滴、とは少々大げさな気もしますが、効果はてきめんでした。
点滴を始めたらやたらとトイレが近くなり、3時間弱の間に3回も行ったので
せっせと毒素を排出できたようです。
おかげさまで、あっさり痛みも腫れもみるみる引いていき、
ブヨにやられてさんざん腫れるときよりより、よっぽど楽におさまったので
よく働いてくれた2つの腎臓に、ありがとうといいたくなりました。

途中でもうひとり、蜂に刺されたという患者さんが入ってきましたが、
彼女は2度目とのことで、呼吸困難と発疹のショック症状にみまわれ、
かなり危険だったようです。

私は部屋の奥で寝ていたので、入り口近くのベッドに寝たらしい彼女の
幾重にも隔たれたカーテンの向こうの会話聞いていたら、するどくこれに聞き覚えあり。
帰り際になって近くに寄れば、やはり、富良野に来たばかりのころの農作業の相棒でした。
何も、同じ日の似たような時間に、互いに蜂に刺されなくてもよかろうものの、
久しぶりの痛い再会に、お互い苦笑いです。
たまにメールで愚痴り合う仲だけあって、やはり似た者同士だなと確かめ合ったのでした。

大げさだから、と遠慮するよりは、早めの処置を選んだ方が良い。
彼女のようなケースはもちろんのこと、それが1度目であってもベターであるという、
蜂にさされた場合の教訓を得ました。

その後は、塗り薬で少しずつ瞼の腫れをおさえています。
ちょうど今日も、朝から雨だったので、ゆっくりすることができました。
去年も、おととしも年も秋に仕事が一段落すると、どこか体に不調が出ていた私ですが、
今年は一段と早く、でも軽いハプニングがやってきました。

これを神様がくれた休日だという事にして、読みたかった本を読んだり
部屋を片付けたり、夏の間お預けになったりさぼったりしていた事にあてています。
今日は旦那とともに旭川まで、愛車を車検に出して、帰りに少しショッピング。
雨の月曜昼下がりは人も少なく、右半分が何となく赤く腫れぼったいすっぴん顔をさらしても、
さして気にならずに済みました。
まだ少し頭が重いけれど、悪くない休日です。

posted by momouyda | 23:18 | 農作業 | comments(2) | trackbacks(0) |
謝辞
 薄いスカーフのような雲も、弱くなった陽射しも秋らしいなか、
ようやくハウスのビニールを外しました。
お盆すぎに収穫が済んでから随分経ったので、
普通の農家さんからみれば、我が家はなかなかの呑気ぶりです。

のんきなのにも程があるので、売るものがなくなってすっかり気の抜けたuydaに、
少しは本気になってもらわないと雪が降ってきてしまいます。
そこで私は先月いっぱいで、メロンの親方のところを卒業し、
uydaの助太刀に入ることにしました。

親方のところ、もっとやめづらいかと思っていたけれど
この状態が、かえって背中を押してくれたような。
最後は、本人にも、皆にも明日から仕事に来ないという現実感のないまま、
さらっと農園を去る事となりました。
これからは二人でハウスと家の引越をもりもりとこなして行こうと思っています。

富良野に来て初めての冬、何十人もの親方衆以外に、ひとりも女の人がいなかった
部落の新年会でお目にかかってから、 まるで加速していったかのように時が過ぎました。
あーっと言う間の4サイクル、しかし実に色々なことがありました。
親方の身にも、私の身にも、世の中にも、人生における大きな転機が詰まっていた時期です。

それでもなお、何となくではありますが
我が家でもメロン作りを続けることが出来そうなところまで、 やってくる事が出来ました。
これもひとえに、きっちり丁寧な仕事をずっと繰り返してこられた
メロンの親方の歴史そのものに教えられたと思っています。

なにかと不届きで、決して優等生ではなかった私にも、
メロンの親方の長い歴史そのほんの一部を担わせていただいたことを、誇りに思います。
お世話になった出面のおばちゃま達、メロンの親方家族のみなさま、
心より御礼申し上げます。

しかし、こんなところでで謝辞を述べるより、
ご本人へじかに伝えるべきなのでしょうが、やはり色々な思いがありすぎます。

親方の農園では、だれひとりインターネットなどという七面倒くさいものとは
ご縁がないというのに、キーボードを叩くことによってしか表現をなし得ないこの若造。
まったく、このだらしなさには困ってしまいます。

さて、突然ですが先月、我が農園へと取材があり
ハローワークのサイトにuydaを新規就農の挑戦者としてご紹介頂きました。

私は、はじめて動画でみる自分が、やけに小さくてびっくり。
座って撮ったタイトル写真のボリューム感とのギャップが
そのまま私の思うuydaに対する大きさの違いです。
いかに、普段偉そうに振る舞っているのかが、これで実感出来ました。

それでもあまり反省していないのですが、
それを悟って落ち着くまでには、まだまだ時も修行もこれからです。

それから最近、親愛なる親爺カヤッカー佐藤雅彦さんも、我が家を訪ねて下さいました。
雑誌『BE-PAL』のWEB版にて、我が家の雰囲気を手早く的確に書いておられます。
やはり、近い目線の理解者がいらっしゃるのは嬉しいことです。

こうして、たくさんの方々に支えて頂いていることを常に感じながら仕事を続けて行こうと、
たくさんのトンボの群れを見上げながら、秋空に想うのでした。
posted by momouyda | 22:46 | 雑記帳 | comments(0) | trackbacks(0) |
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